炎上プロジェクトでの1on1のやり方:チームの本音を引き出す質問リスト

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炎上プロジェクトでチームメンバーの本音を引き出す1on1の進め方。信頼関係を壊さずに問題を把握するための質問テクニックと頻度設計を解説。

プロジェクトが炎上しているとき、チームメンバーは「本音を言えない」状態になりがちだ。問題を報告すれば責められるかもしれない、弱音を吐けばチームに迷惑をかけると思い込む。この「沈黙の文化」は炎上をさらに悪化させる。

1on1はこの状況を打破するための最強のツールだが、炎上中の1on1には通常の1on1と異なるアプローチが必要だ。

炎上中の1on1に特別なアプローチが必要な理由

通常の1on1の目的は「成長・関係構築・情報共有」だ。しかし炎上中の1on1では「心理的安全性の確保」と「本音の問題の発見」が優先される。

炎上中のメンバーは多くの場合、次のような状態にある:

  • 疲弊していて将来に不安を感じている
  • 問題があるのに「言っても無駄」と思っている
  • PMを「管理者」として警戒している

通常の成長支援的な1on1の質問(「最近学んだことは?」「キャリアの目標は?」)は、このタイミングでは場違いに感じられる。

炎上中の1on1:3つのフェーズ

フェーズ1:感情を受け取る(最初の5分)

最初の質問は「状況」ではなく「感情」から始める。

推奨の入り方:
「まず、今どんな状態か率直に聞かせてください。
 大変だったことや、しんどかったことがあったら教えてください。
 解決策は後で一緒に考えるので、まずは状況を聞かせてください。」

PMが「解決策を急がない」という姿勢を最初に示すことで、メンバーは「聞いてもらえる」と感じて話しやすくなる。

フェーズ2:本音を引き出す(10〜15分)

以下の質問リストから状況に応じて選んで使う。

プロジェクトの状況を把握する質問:

  • 「今一番、進めにくいと感じていることは何ですか?」
  • 「もし私(PM)が一つだけ変えられるとしたら、何を変えてほしいですか?」
  • 「このプロジェクトで、誰も言いたがらない問題があるとしたら何だと思いますか?」

個人の状態を把握する質問:

  • 「今の仕事量は持続可能だと思いますか?1〜10で教えてください。(7以下なら理由を聞く)」
  • 「最近、仕事のことが頭から離れない時間帯はありますか?」
  • 「このプロジェクトに対してどんな気持ちで来ていますか?正直に教えてください。」

関係性・組織の問題を把握する質問:

  • 「チームで一番うまくいっていると思う部分と、難しいと感じる部分を一つずつ教えてください。」
  • 「私のマネジメントで、変えてほしいことや気になることはありますか?(責めません)」

フェーズ3:アクションを決める(5分)

1on1で「聞いて終わり」にしないために、必ず1つのアクションを決めて終わる。

「今日聞いた中で、私がすぐにできることを一つ教えてください。
 小さいことでも大きいことでも構いません。」

書籍紹介

Rescue the Problem Project

著者: Todd C. Williams — 炎上プロジェクト立て直しに特化した英語書籍

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頻度の設計:炎上中は週1回が基本

通常の1on1は2週間〜月1回が多いが、炎上プロジェクト中は週1回・30分を推奨する。

理由は2つある。1つ目は「問題が速く動く時期に週次でないと情報が古くなる」こと。2つ目は「30分×週次」という高頻度の関与がチームメンバーに「PMは気にかけてくれている」という安心感を与えることだ。

1on1の記録の残し方: 1on1の内容は簡単なメモとして残す。「次回確認すること」を必ず書いておき、次の1on1で「前回約束したことはどうなりましたか?」と確認する。これにより「1on1が実際に役立つ」という信頼が積み重なる。

NGな質問と行動

NG質問:

  • 「なぜそれをしなかったんですか?」(詰問になる)
  • 「それは難しくないですよね?」(否定になる)
  • 「他のメンバーも同じ問題を抱えていますか?」(告げ口を促す)

NG行動:

  • 1on1で聞いた内容を、本人の許可なく全体共有する
  • 「問題があったならもっと早く言ってください」と責める
  • 話の途中でソリューションを提案して会話を止める

まとめ

炎上中の1on1は「問題を聞き出す尋問」ではなく「本音を話せる安全な場を作る」行為だ。PMが「聞く姿勢」を見せるほど、チームは本音を話しやすくなる。炎上の根本原因は多くの場合、早期に誰かが気づいていたが言えなかったことにある。1on1はその「言えない情報」を引き出すための最も信頼できる手段だ。

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